蛸の階WSオーディションレポート(森本聡生)
蛸の階、高知出演者のWSオーディションを行いました。
14名の方が参加し、今回は「海に送った灯」の台本を使ってワークショップも兼ねて、およそ3時間30分の創作の場となりました。参加者は演劇経験が豊富な方から初めて台本を読むという方まで様々でした。
ワークショップの始めに演出家より言葉の性質(言葉は音という事にフォーカス)ついての話し合いの場が持たれ、
参加者から様々な意見を貰いました。
まず「声の大きさ」「高さ」「速さ」が違うと伝わるニュアンスが変わるのはもちろん、「声の方向」が変わるとそれもまた意味が違ってくるという発見がありました。
また雰囲気やキャラクターが変われば言葉も変わるという意見が出て来ましたが、雰囲気とキャラクターが変わるのではなく、それは呼吸(ブレス)が変わるから雰囲気やキャラクターが変わって行くのではないか?(例えば子供と大人の呼吸は一緒?)他にも状況(シチュエーション)も呼吸に関連するのではないか?という事も話し合われました。
他にも興味深かったのが「内容によっては出せない音(言葉)」というのもあると言う発見がありました。
演出家が求めるのは「野鳥の心」
(鳥の声は言葉としては伝わらないけれども、とても沢山の情報が飛び交っている。例としてすずめの話をしていました。)
一通りの話し合いが終わったところで台本を使ってワークショップは進んで行きました。
その中で、大阪のWSでもやっていた自分のイメージ(自分の文化)を強要しないと言うことを軸として相手役と作っていく、それを14人で順番にやって行き、どうすれば良くなっていくかを参加者全員で考えていくという事をやって行きました。
その中で、台詞を話す言うのはどういうことなのか?ということになり、
「台詞をいうのは発言の余地を探す」という事ではないだろうか?という意見が出来てました。
そしてWS後半は、台本を使わずに一つの言葉だけで相手役と向き合うということをやりました。
(大阪では「パパイヤ」や「バッファロー」を使いました。)
ちなみに高知では「入道雲」という言葉でやりました。
初めは2人が入道雲を使ってやり取りが始まり、そこに1人参加し、また1人参加していくという流れで参加者全員が一緒になって入道雲だけを使ってやり取りをして行きました。
そこにギターやタンバリンという声とは違う音の要素を入れてどんどん進んで行きました。
大阪の時と違ったのは全員が一つの物語を追っていくというものでした。
大阪でやったときは大きなグループではなく小さなグループが沢山できるということがおきました。
そして全員でWSの感想を共有して、WSオーディションは終了しました。

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