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9月公演「Port」;誰への言葉か(中村彩乃:俳優)

今回俳優で参加をさせて頂く中村という者です。階には3回目の参加となります。
稽古ブログでいつも冒頭どうでもええことを言っとるやつがいたかと思うのですが、それが果たして私です。

さて。
9月にあるリーディング公演の初回稽古でした。
リーディング公演というと私の場合どうしても、何かお洒落な木製の椅子に腰掛け(偏見)、無印良品であるような服を着て(偏見)、薄暗いカフェみたいなところでする(偏見)印象があります。いや、もうこれはただの偏見ですね。

ただ、リーディングは決して「俳優が本を読むだけ」ではないし、それ以上のことが出来ると思っております。

初回の稽古で出て私が興味深いと思ったのは「リーディングとは言えども、これは誰に向けて言っているのか。世界(観客含む?)に向けて言っているのか、掛け合いの相手役に向けて言っているのか。どっちなんだろう」という久野さんのお言葉です。

確かに。

上記の私の偏見まみれの「リーディングあるある」にさらに追加して、
よく役者が「どや、私ええ声やろう」という感じで、いかに客に聞かそうかということに重きをおいているリーディング公演は多いように思います。

それはどうなんでしょう。一重に「どや」が駄目な訳でも無さそうなのですが、なにに向けて言葉を吐くのかを考えるのは大切なように思います。


因みに今回した「ちょっとこれやってみよう」は、以下の通りです。
・間をひたすらつめる
・背中合わせに読む
・ナンパされそうな可愛さをだす
・カリスマ性バリバリ20代男子
・店長、バイトに教える
途中からサザエさんの予告のような感じになりなんのこっちゃという感じになりましたが。


まだ始まったばかりで、ここからどんどん変化を遂げていくでしょう。

まずは変化に柔軟に対応してみようと受け入れてみるところから出発していきたいと思います。

20170725

1月公演 「パノラマビールの夜」(大西智子)

この度、東京から参加させていただきます大西智子と申します。
久野さんのお芝居に出演なんて、ほぼ20年ぶり?まさかこんな日がくるなんて・・
遠距離稽古参加にもろもろご迷惑かけますが、嬉しいです。

初稽古。私はぷらっとこだまで来阪。緊張感といろいろ変わってどこがどこか分からない梅田に戸惑い、やっぱり迷う。
初めましてやら挨拶もそこそこに皆さんはケーキ屋さんへ向かう。今日は旅人役の俳優の七井さんのバースデーとな!

稽古初日に稽古場でケーキ食べられることにしてくれるとは、なんと良い人なんでしょう!?
そして稽古はいきなり、好きなように動いてもみて、通してみたわけです!
そう久野さんからは「初日までに台詞を覚えてくるように」とのミッションが届いておりました。もちろん、そのつもりで、覚えたつもりで。
ああ、でも、この蜷川幸雄みたいな方式。
私の脳みそも体も口もアップアップで溺れた人。
まだまだ体も心も固いなぁ。
なんとしたものかという空気が流れる。
そして久野さんは問題を皆で考えようという人なので皆が考えてくれる。
アドバイスをくれる。皆さん、ありがとう。心強いです。がんばります。

今と真逆の寒い寒い1月本番に向けて少しずつ登っていきます。皆と一緒に。

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1月公演「パノラマビールの夜」7/25(七井悠:俳優)

匣の階、稽古が始まりました。
稽古、楽しいです。

久野さんの演出・作品の稽古始めは、稽古場にいる俳優がナニモノなのか? を探る作業
から始まると感じます。
今回の匣の階は、登場人物が今まで参加した作品よりも多いので、登場人物の関係性
の数ほど演技の幅が広がるというか、必要とされます(と思っています)。

自分がやりなれた手段は、手垢がついている と感じつつも、やはり毎回そこから始めないと
世界に触れて行ったり時間を進めてゆくことはできません。
ただ、その作業(稽古)のすったもんだの中で、どれだけ変化し続けられるかが、大切なのだなと
久野さんの稽古場では感じます。

変化って、簡単に「いい言葉」みたいに言えますが、本当に何なんでしょう。
稽古をして人脳みその中身が変わるわけではありませんし、体が爬虫類になるわけでもありません。

他人にもなれません。

「無いもの」への想像力とか想いかな、と最近思います。

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1月公演「パノラマビールの夜」7/26(吉村篤生)

はじめまして。演出助手の吉村と申します。
これからどうぞ、宜しくお願いいたします。

いきなり個人的な話をしますが、僕は、言葉が嫌いというか苦手といいますか、とりあえず、言葉を使わずコミュニケーションをとりたいです。
なんか文字にすると大層ですが、そんなことではなくて、もっと単純なことなんですが…と、なってしまうところが嫌い、なのだと思います。
違うのかもしれません…。コレにあてがう言葉が見つかりません…。作文も嫌いです。

稽古場では、コトバが飛び交います。

7月26日『パノラマビールの夜』稽古では、コミュニケーションについて話題に上りました。
・相手の話を内容でなく、存在で聞く。
・相手に聞いていることをわかってもらい、お互いに楽しんで退屈しないようにすることが、コミュニケーション。
などなど

匣の階の稽古場では、コトバの、辞書に載っていない方の意味?を知る機会があります。楽しいです。

もしかすると匣の階の稽古は、
自分にとって、コトバを使うリハビリ・トレーニングなのかもしれない。と、書いていて少し思ってしまいました。ペラペラになれるよう頑張ります。

自身の話ばかりで、作品については、あまり触れていませんが、
もう少しコトバが達者になっていることを信じ、次回こそは、こちらへブログらしく書ければと思います。

夕食は、みんなでつけ麺を食べました。おいしかったです。

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9月公演「Port」7月26日 (渡辺裕子)


初めまして。
オーディションからの初参加となりました、渡辺裕子と申します。
今回は「Port-見えない町の話をしよう-」の方に出演させていただきます。
よろしくお願い致します。

****************

7月26日、「Port」集中稽古3日目。

畳のお部屋で、まるで旅館で稽古してるような雰囲気の中で進められました「Port」。
自分が読みたいと思ったところで読む、台本を奪い合いながら読む、合いの手を入れてみる、元気よく読んでみる………。
本日もいろいろな角度から試行錯誤しながら台本と格闘しました。

私は主にミュージカルの世界で生きてきた人間なので本格的に台詞だけに向き合うのは実は初めてで、独特の(と言っていいのか分かりませんが…他の演劇をほぼ知らないもので…)方法で進んでいく稽古とレベルの高さに最初はなかなか頭と身体が付いていけず…。

感じたことを上手く言葉に起こせない私は、台本の文字に襲われる夢を見たほど(←本当です。怖かったです…)頭がパンパンになっていました。

ですが、いつまでもそんな弱々しいことは言ってられません。
残り10回ほどの稽古で、本番に出せるレベルまで自分を持っていかないといけないのですから。

****************

匣の階は、2017年9月公演のイストワール第8話「Port-見えない町の話をしよう-」と、2018年1月公演の匣の階公演「パノラマビールの夜」の、2つの町と匣をめぐる物語を上演します。

私は「Port」のみの出演ですが、「パノラマビールの夜」にも出演される諸先輩方は昼から夜21時30分までぶっ通しの稽古で、畳のお部屋はこんな感じに…。

皆様、本当にお疲れ様です…。

20170726

9月公演「Port」稽古場日誌 (三田村)

こちらに書き込むのは今年の点の階以来…今回「Port」のみ出演させていただく三田村です。よろしくお願いします。
7/24の月曜からの集中稽古、「Port」の稽古は主に夜間。階の稽古場の独特な自由さを再び満喫?しています。

この「Port」は、実在した人物や実際に起こった事件などを題材にしたドラマシリーズ「イストワール」の枠組みの中で上演される作品なのですが、今回の「Port」は街およびその歴史自体を扱うという、なんか超壮大風なやつになっています。

いやもちろん作家・久野さんの独特な抽象性(といえばいいのか)の手つきにいい意味で幻惑させられることうけあい、一筋縄ではいかないリーディングになりそうです。

なんだか作品紹介みたいになってしまったがまあよしとしましょう。個人的にはこの集中稽古はほぼインプット、稽古回数がじつは少ないので、次回からは楽しみつつも結果出していきたいすねと。

明日から鳥取へ行く三田村でした。

20170727

1月公演「パノラマビールの夜」階段をのぼる (藤谷以優)


7月集中稽古、最終日でした。
点の階に続いて階には二度目の参加です、藤谷以優です。
初めましての方は初めまして。知っていただいている方はお久しぶりです。

今日は途中止めたりしながらも最初から最後まで進める稽古でした。いやぁ、楽しい。
気になること、うまくいかないこと、個人でも色々あるのですが起こっていることは止まってくれないので波に乗るしかありません。そんな時にどうやって上手く人の波に乗るか、はたまた乗せるか荒だててみるか90分じゃ足りないくらいに忙しいです。

でも今日は一個腑に落ちたことがあるので満足です。当たり前のことですが、まず自分で理解して(自分の言葉にして)相手に話さないと伝わるわけがない。わあ、言葉にすると本当に当たり前。なのに台詞にすると難しいのです、これはきっとずっと続く課題ですね。

まだ考えてるので散文で申し訳ないのですが、今日は眠たいので、また。

20170724

【稽古日記】9月公演「Port」立ち上がれ勇者(プリン松)

こんにちは。
関西でふらふらと活動しておりますプリン松と申します。

9月公演「Port」では出演
1月公演「パノラマビールの夜」では演出助手を務めます。
何卒宜しくお願い致します

所属していました劇団が解散し、さてどうしようかな、と思った瞬間ものすごいタイミングで久野さんと出会いました、正しくは再会しました。
初めて2人で話す時にいきなり飲みにいき5、6時間話し続けるというところから参加決定、スタートしました。
久野さんとの出会いうんぬん書いてたらそれだけで文字数とんでもないことになりますので、稽古日記を、書きます!


はい。稽古です。
リーディング公演ということで、別に、全く、なめてた訳ではないのですが……………

嘘だろ!!!!!????

てくらい尋常ではない汗をかきます。
特に私が主な作品は、七井さんとの男女2人作品なのですが。
この作品の稽古は、私がものすごおおくしごかれますので、通称、プリンタイムと言います。

この作品の稽古に入るやいなや
相手役の七井さんは
美声を撒き散らしながら奇想天外に咆哮するモンスターへと変貌し
演出の久野さんは
つまらなければ、面白くすればいいじゃない、と少女の微笑みをされながら面白いものしか召し上がらない女王が君臨し
(笑って頂けると最高に嬉しい)

この2大モンスター(失礼)と戦うには…
形とか見た目から入るエンタメのゴリゴリさを払拭し、内から湧き上がってくる素直な魂で精製された剣をもって戦わないといけないのです…!

何を言ってるのかわからないと思いますが、要は、稽古が楽しくて楽しくて新鮮で、とにかく汗をかくと、いうことです。
幸せです。

果たして私は真の勇者たる器になり、良き作品への階段を登ることが出来るのか……


乞うご期待。
以上、発売されたドラクエがやりたくてたまらないプリンでした!

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イストワール第8話『Port- 見えない町の話をしよう -』※リーディング公演
神戸開港150周年記念「港都KOBE芸術祭」 連携事業

脚本・演出:久野那美 / 音響:合田加代 /演出助手:藤谷以優・吉村篤生(劇の虫) / 制作:若旦那家康
出演:大西智子(あなざーわーくす)・七井悠(劇団飛び道具)・中村彩乃(安住の地/劇団飛び道具)・三田村啓示(空の驛舎)・プリン松・渡辺裕子

■開演日時
2017年9月17日(日) 20:00
2017年9月18日(月祝) 13:00
2017年9月18日(月祝) 16:00
2017年9月18日(月祝) 19:00
※各回、開演時間の20分前よりご入場いただけます。
※上演時間は約45分を予定しています。

■会場 神戸アートビレッジセンター ギャラリー

■入場料
 一般(前売・予約・当日):¥1,300 / 大学・専門学校生(前売・予約・当日):¥1,000 / 高校生(前売・予約・当日):\500  

※当日券の発行は空席ありの時のみ。小さな会場ですので、できるだけ事前のご予約をお願いたします。
※各回、開演時間の20分前に受付開始・開場致します。全席自由席です。前売→ご予約→当日のお客様それぞれ先着順にご入場いただきます。
※「劇の始まる前の時間」をこっそり覗き見るチャンスです。ぜひお早めにご来場ください。
※遠方からのご来場、車椅子でのご来場など、観劇に際するご相談やご要望は備考欄にお書きいただくか下記までお電話ください。全力でご対応致します!

■お申込み方法
◇ご予約:匣の階予約フォーム または、
メール:hakonokai2018@gmail.com か お電話:050-5240-3066(匣の階制作部)まで
「お名前・連絡先メールアドレス(電話番号)・チケットの種類・ご来場日時・メッセージを希望する出演者/スタッフの名前」をお知らせください。
◇前売券購入:チケットぴあ

主催:大阪ガス株式会社
共催 神戸アートビレッジセンター
協力 港都KOBE芸術祭実行委員会
企画・制作:匣の階

9月公演 Port 稽古日記 「本を持つのは難しい」(七井)

七井です。

8月14日は、Portの個別稽古でした。

午前中は渡辺さん、夜はプリンさんとの稽古をしました。

「Port」なのですが、リーディング公演の為、俳優が舞台上で本を読みながら進みます。
この、「本」 流石に古くからある種族?のため、どう扱っても「本」のままですし、そこに書いてることを読もうとすると
すぐ「本を読んでいる」になってしまうのです。

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↑何をしてもすぐこんな感じになってしまう。

 本を手渡したり、受け取ったりというシーンを作ってみたのですが、やっぱり↑こういう風になります。

「本」は「手」で「めくって読む」ものなんですね。。

もっと、自由というかいい感じの加減で、本に対して向き合いたいとおもって稽古をしました。

その中で出てきたのが、自分ではなく、本が主体である という感覚です。
つまり、言葉を聞くのも話すのも、座るのも立つのも、全て本から始まっている! と言う事ですね。
本に書いてあるから俳優は喋るし、本があるからこそ俳優はそこにいることができるのです。
自分の体はいらないんですね。たぶん。

あと、久野さんと 「あそこ」「ここ」「普遍」「物語」の話をしました。
何がリアリティなのかという問い。


次回の稽古ではそれをもっと突き詰めようと思います。

匣の階 稽古日記8/19(吉村篤生)

演出助手の吉村です。

匣の階、8月の稽古がはじまりました。
厳密には、8月に入ってから個別稽古があったのですが、自分は不参加で。個人的に8月最初の稽古でありました。

8/19は、
前半は『Port』1話。そして、後半は『パノラマビールの夜』の稽古でした。

途中、
ここに、いない人の話に。
今回の稽古には参加できなかった出演者の方の話 (決して悪口ではありません!) であるとか。
亡くなられた方の武勇伝のような話であるとか。

語られている方々のことは、正直(まだ)よくは知らなかったのですが、なぜが聞いていて、とても面白かったです。
じっくりと聞いていたい、というよりかは、ふと耳に入ってくるのが気持ちいい。そういった感じでした。すみません…語彙力が…
その方の人柄がそうさせているのか。その人やモノが、ここに、(い)ないからなのか。

ここに、いる人が楽しそうに、ここに、(い)ない人やモノの話を聞いている。そんな時間でした。

『Port』そして『パノラマビールの夜』、どちらにも、これに似た感触(と勝手に感じているのですが、、)の場面があります。

今この時間と、そして作品とで、何が同じで、何が違うのか。
少し立ち止まって考えたいなあとも思いながら、コトバにするのに時間がかかって、稽古に置いていかれそうだったので、あとの楽しみに取っておくことにしました。

その稽古はというと、
個別稽古を挟んだためか、がらっと前回と雰囲気の違った部分もあって。
こちらも、どうなるか楽しみです。

そして私事ながら、
誕生日を、サプライズでお祝いしてもらいました。突然のことに驚きすぎて、あまり驚けませんでした。
本当に、ありがとうございます。

そんなケーキは、匣に入っていました。
おいしかったです。

匣の階 稽古日記8/20(吉村篤生)

前日につづき、吉村です。

匣の階の稽古が始まり、ひと月ほどが経ちまして、
共通言語のようなものも増えてきました。

「ここを宇宙ステーションにしない」等。
(絶対的な何かを信じないようにする、の意。と自分なりに理解しています。)

稽古が始まってから1ヶ月。とても長いような短いような、不思議な時間の経過を味わっています。

8/20は、
『パノラマビールの夜』と『Port』3、4話を。
特に、会場となるKAVC(神戸アートビレッジセンター)を意識して稽古しました。
リーディング公演『Port』のほうは、やはり本との関わり方が話題にのぼります。

人は話しているうちに変わるけれど、本に書かれていることは変わらない。
とても印象に残っています。

さて、前日分の日記に、誕生日をお祝いしてもらったと書きました。
その帰り、自転車のカギを落としました。
後輪を持ち上げながら帰路に就きました。
ケーキ分のカロリーを使いました。
世の中というのは、うまいことできているなぁと思いました。
がんばります。

9月公演 Port 稽古日記 「久々の稽古でした」(三田村)

三田村です。

7月下旬から主にこども向けのお芝居のツアーで計7ヶ所、毎週全国のどこかにいる状態が続いています。
というわけで、今日は久々の稽古でした。体力的にも精神的になかなか切り替えるのが大変。

観客に読み聞かせる、わけではないリーディング。けれども平坦にならないよう大事なキーワードはきっちり捕まえる。本を読んでいる感。若さ。
全て両立させることの難しさを感じた久々の稽古でした。
稽古が少ないのであれですが、気づけば本番まで1ヶ月切ってますね。
暑さに負けずがんばります。

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9月公演 Port 稽古日記 「8月の集中稽古、最終日」(渡辺裕子)


本番を想定した衣装を着て、大量の本に囲まれての通し稽古でした。
稽古といえど本番と同じ緊張感…。
スタッフの方々も交えた稽古場に漂う塩辛い空気の中で進みました。
ある時はガレキ、ある時は海辺の貝殻へと変化する床一面の本たち。
そう言われてそう意識すると、形は本なのに本当にガレキや貝殻に見えてくる。
本来はそこに「無い」ものを「ある」ものとして作り出して見せるのも、俳優のお仕事…なのでしょうか。
私はそこに、「幸せ」を見ることは出来るのか…。

残り半月、Portは大詰めです。

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9月公演 Port 稽古日記 「KAVCにて稽古をする」(七井)

みなさんこんんいちは。


打ち間違えました。そのままにしてみました。



皆さんこんにちは。

8月31日はタイトル通り、本番の会場であるKAVC(神戸アートヴィレッジセンター)のギャラリーにてプリンさんとの
稽古でした。

会場、想像していたより声が響いてびっくりしました。自分が聞いている自分の声と、他人が聞いている自分の声の違いを埋める
作業とでも言いましょうか。
しかし、座って喋ると途端に声が安定しました。なぜでしょう。
声の響きがより多く床に伝わるからでしょうか?身体が安定するから?

会場のギャラリーからはKAVCのロビーと、ロビーのガラス越しに外の風景が見渡せます。
道行く人を眺めながら、「町」の話をするというのは、劇の世界と現実が入り混じっているようでとても面白かったです。

観に(聴きに)来てくれたお客さんが、町への想いを馳せられるように頑張ります。

9月公演 Port 稽古日記「神様は難しい」(小林)

舞台監督助手をさせていただくことになりました
小林です

天地創造を見ました
稽古の話です

自分が神様だったらどんな風にするだろう
ちょっとやってみてよ

突拍子もない話ですが
こんな会話が自然に飛び交う和やかな現場

動物の大群が草原を駆け抜けるイメージ
氷山が崩れ、海が飛沫をあげるイメージ
パノラマ風の俯瞰のイメージ
知り得ないが確かにそこにあるなにか

各々が思う天地創造を身体一つで表現して
それを眺める人間の反応はどんな風であるか
あれこれ話してやってみて
言葉にできない「なにか」を探す
プリンをお箸で食べるような
つかみどころのない、そんな作業でした

でもきっとそうした些細な部分に宿るものってあると思うんです

ご来場お待ちしております。
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写真:紅たえこ

9月公演 Port 稽古日記 「夜に稽古をする」(七井)

みなさんこんばんは。

9月9日の稽古場日記です。この日は全体稽古ではなく、第3話の稽古をプリンさん、久野さんと某所にて行いました。

3話は、文体が口語体から文語体に変わったので、よりグッと「本を読む」感覚が強くなりました。
確かに口語体だと、自分が意識しなくても言葉を喋れてしまうので、より言葉に対しての(良い意味での)違和感が増します。

リーディング公演なので、あまり過剰にしすぎず、色を付けすぎず という気持ちでやっていたのですが、私が読むお話の感じで
、もっと何かをしてもいいのかもしれない という気がしてきています。
分かりやすく単純化するのではなく、何かもっとこう・・・。みたいな。

11日から劇場入りしてみっちり稽古ができるので、もっと変化させてゆきたいなあと。

9月公演 Port 稽古日記 「仕込みしました」(三田村)

早いもので…Portの本番がいよいよ今週の日曜日からに迫ってきました。
そしてありがたいことに、月曜日から会場のギャラリーを使用させていただきます。
朝からギャラリーのパネルを配置し、客席作りと照明つり込み、並行してKAVCロビーのフリースペースで、地道にせっせと小道具を作りつづけました。ロビーの解放感と地元の方々が集まってくる感じがとても心地いい。最近できたらしい食堂もとてもおいしかった!お時間あればぜひ立ち寄ってみてください。
いい感じに仕上がってます。休館日を挟んで、本番までじっくり稽古できるのもありがたい。

そうそう、まだまだお席あります!さくっと観られる約45分間です。
ご予約は↓の予約フォームから。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdC6iA-TKiwy39G_UMXlh5xGeTKkfEhk0nK7UrzuGaJl2zwCg/viewform?c=0&w=1

三田村でした。

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匣の階 稽古日記9/13(練間沙)

稽古日記では初めまして。練間沙です。

今日の、ではなくもう昨日になってしまいましたが9月13日の稽古はいよいよ神戸アートビレッジセンターでした。

芝居をするところはホールでも地下のシアターでもなく、一階ロビー。
劇場でも、カフェでもない、むしろ色んな人が往来するパブリックなスペースかつ天井や柱のいつもとは全く異なる環境に始めは皆戸惑いつつも朝昼夜と過ごしこの場所に慣れてきた感触。
そしてむしろここに行き交う人々と感想と我々の芝居が混ざっているこの空間というのはとても面白いのではという気がしてきました。
もちろんこの喧騒というのは本番ではなくなってしまうのですけど、こんなワイワイガヤガヤウキウキワンワンメーメーパオンパオン感を僕たち天文学研究会4人で作り出していこうなという思いを僕はそっと胸にしまいこの日記に託します。
こういう緊張と緩和を自由に行き来できるような感じになっていきたい感じがあります。

9月の神戸アートビレッジセンターでの稽古はまだまだ始まったばかり、今後の続報に期待!です。
それにしてもここのスペースにやってくる色んな人の個性と会話が、面白すぎる。

そうそう、9月と言えばPortの本番が迫ってきておりますよ。まだまだお席に空きがあります。
佳境に入っていてとても凝らされた素敵空間になってます。
こちらはKAVCのギャラリーの新しい素敵な使い方が見れたり、パノラマビールの夜につながる話があったり、おまけ的に楽しめる要素もあるので是非是非パノラマビールの夜を観に行こうと思ってくれている皆様合わせてご来場ください。
予約フォームはこちらから
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdC6iA-TKiwy39G_UMXlh5xGeTKkfEhk0nK7UrzuGaJl2zwCg/viewform?c=0&w=1

写真は予約状況に項垂れている制作さんです。嘘です。
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隙間産業 (中村彩乃:俳優)

今日は。
とうとう小屋入りをしたわけですが、新開地のあまりのディープさに戦々恐々している中村です。
辺り一面、ツッコむところが本当に多すぎるよ?


さて、昨日はポートとパノラマビールの稽古二本立てでした。なんて贅沢な。

通しをしてみようということになり、音響照明はガッツリつけず、役者の確認も兼ねて最初から最後まで。

思ったのは、リーディングって台詞覚えて言うわけではなく、要はカンペが手元にある状態です。これ、一見「台詞を覚えない方が良いなら楽じゃん」と思うのですが、どっこいこれがむずかしいところです。

文字を目で追うのに結構色んな意識を持っていかれて、余裕が少し無くなります。
それが面白くない。必死に綺麗に読む声 を聞きたいならお客さんは朗読CDを聞いている方が、色々楽です。
しかし会場に来て役者の身体も見て、というときに、役者は台詞を必死に文字で追いかけてるだけでは何か、こう。勿体無いではないですか。

まだ本番まで期間はあるので自分に余裕をもうちとつくるようにして、そこからその隙間に中村(各役者)の人間要素を詰めて、充実感のある公演にしたく思います。

「Port」稽古見学日記(8/14)『思いを馳せるということ』(練間沙)

こんにちは。練間沙です。
昨日は「パノラマビールの夜」の稽古後、「Port」の稽古と音照ありの通しを見学しました。
稽古では、あるシーンの”動き”を繰り返し、いろんなことを試行していてリーディングのはずなのにとても動きのあるまとまったシーンが出来上がってました。

このリーディング公演は、ただお話を聞く朗読でなく、舞台上でその人として動くお芝居でもなく、上演中どこを見てもいいような、この舞台の空間と自分の頭の中で膨らんでいくものとを自由に行き来してもいいようなそんな感触でした。
自分の中で話を聞いていくうちにどんどん勝手に膨らんでいくイメージをそのままに、目の前の役者が語る波に乗って、思考をしていくことの気持ちよさを感じながら、僕は見ました。

今まで見ていたはずのものが、少しだけ違って見えるような気がしました。
何度でも見たくなる聞きたくなる読みたくなる話だと思いました。

まだまだ席に余裕はあります。あったかもしれないし、なかったかもしれない。
ブログタイトルは思いを馳せるということ、ですが馳せるというのは、遠くのものを想像するという事だそうです。
色々なものから遠く離れてきて、ほんのひと時だけでもいいと思うのです。遠くのものに思いを巡らせてみてはいかがですか。
そんな物語を観に来ませんか。

稽古場レポートとはかけ離れているような気がしないでもないですが、観に来てください。
僕は出たりとかしてないですが、とてもおすすめです。

1月公演 匣の階 稽古日記 9/14(チェサン)

新開地、美味しいです。兵庫に引越すなら新開地自転車圏内がいいです。チェサンです。

「お前は誰だ?」ごもっともです。お答えしましょう。チェサンは27歳です。天文学研究会の二代目会長役です。俗に言うMr.Qです。愛と真実の悪を貫くラブリーチャーミーや敵役です。座右の銘は、愛のままに我儘にギリギリ崖の上を行くウルトラソウル。今週のラッキーチンパンジーはニシローランドゴリラです。

さて、我々は天文学を研究する会なわけですが、主な活動は「考える」ことです。遠くにある星のことを考えるんです。観測も観察も必要ありません。名前を識る必要も位置を測る必要もないのです。さぁ、遥か遠くのその星のことを考えてみてごらんなさい。確かに思いを馳せられたとき、絶対に届かなかったはずのその星が懐かしさを持って眼前に現れるでしょう。

怪しいですね。でも面白いなぁと思っています。考えて、思い馳せてが、それが実際に在るか否かよりも尊いのです。サン=テグジュペリも言ってましたしね、大事なことは心の目で見るんだと。

神戸アートビレッジセンターに遊びに来てみてください。9/17~18『Port』と1/25~28『パノラマビールの夜』。最寄り駅は新開地駅です。いい飲み屋がいっぱいあります。飲みましょう。すいません、ビールをお願いします。



写真は新開地駅近くの、おでんが美味しい高田屋さんです。マジ美味え。

9月公演 Port 稽古日記「いよいよです」(吉村篤生)

演出助手の吉村です。

日付変わりまして
本日、9/17(日)20時より、
『Port- 見えない町の話をしよう -』本番です。

『Port』は、
神戸アートビレッジセンター1階のギャラリーにて上演されます。ずっといるからなのか、このギャラリー。『Port』を上演するための場所だとしか思えなくなってきます。
作品の中で、ここは、港になったり公園になったりします。そのとき、確かにこの場所は、港になっているし、公園になっています。

『Port』は、
上演時間45分くらいの作品です。
その中で、時代が、人が、空気が、行き交います。
また、1月に上演される『パノラマビールの夜』を、いっそう感じることができる作品でもあります。

『Port』は、
リーディング公演、朗読劇です。
ものすごく本を読んでいます。それでいて、ものすごく聞いています。本があるから見えるものがあります。
本を持つというのは制約だと思っていたのが、実はそうではないのかも、と昨日、再発見しました。
観たら、観た分だけの何かを見つけることができます。たぶん…

演出助手というより、
一人のお客さん?、見てる人?として、『Port』稽古を見ていて思ったことを書きました。

昨日の稽古では、特に4話で大きな変化がありました。変わり続けています。楽しみです。
そして、ふと自分が本を読んでいる気分になりました。
ロマンチストだと言われました。

このブログは、屋外の吹きさらしのもとで書いています。ロマンチストだからだと思います。風が強くなってきました。石原裕次郎ばりに嵐を呼ぶ『Port』です。


台風が接近しています。
ご来場される際は、本当にお気を付けてお越しください。
お待ちしております。


写真:紅たえこ

1月公演 パノラマビールの夜 演出会議 「マグナムいこっか」(小林)

秋の気配が一向に感じられません。

舞台監督助手の小林です。

いったい何処で足踏みをしておられるのでしょうか。
そうこうしているうちに冬将軍に追い越されるなんてこともあるやもしれません。

「季節の変わり目に敏感でいたい」というのは常日頃、私の願うところであり
毎年4回季節の変わり目にばっちり風邪を患うのもまた
そういったことであるのかもしれません。
風邪をあつめて 風邪をあつめて

梅田の某ファミレスにて演出会議を行いました。
議題はずばり神戸の動員数増加作戦とWS(ワークショップ)についてです。

1.5L=1000円、その名も「マグナム赤ワイン」を囲んでの話し合い。
酒好きで愉快な我々であります。

どんな企画なら楽しんでいただけるだろうか
様々なアイデアを出し合い「それ面白そうですね!」がたくさん飛び交いました。


WSはいったいどんなものになるのでしょうか、、、

続報をお待ちください!!

重罪を軽くする稽古(俳優:中村彩乃)

どうもです。
最近、いかに酒を減らすかということに一生懸命になっている私です。
まず、「一杯だけのみにいきますか」
これは嘘です。
「あと一杯だけのもうかな」
これもだいたい嘘です。
「しばらくお酒はのまない」
これは確実に嘘です。
なんだってんだ、フェイクにまみれてやがるぜ…。なんて罪深い嗜好品なんだ。
健やかにのめる、お酒が背負った(背負わせているのはお前
)罪を軽くしてやる方法が知りたいよ。

さて、そんなことを考えていても、稽古はやって来ます。
先日は天文学研究のメンバー(without藤谷、with三村さん)で稽古をしておりました。

取りあえず読みあわせをしていこうということになったのですが、なんだか台詞がツルツル滑ってく感じ(上滑り?)が否めないことに。
皆でうんうん言っていると、久野さんから提案が。
「台詞は言わないでおこう。台詞なし。なんか適当な音出すかもしくは喋らない、それでやろう。」

そういう稽古がはじまりました。
はぁ?と思われた方もいるやもしれませんので、実際稽古場で行われたことを一部抜き出してみましょう。

「すぃーーーーしゃす」
「ぷ…ペペポ」
「あー…いーさーよー、ぐ」
「はいはいはい、はい」
「はいはいはい、」
「「はい」」

なんだこれ!!?

(因みにどうでもいいのですが、練間さんは「さ行」、中村は「ぱ行」、七井さんは「はいはいはい」、チェサンさんはミックスになりがちでした。)

しかし、字面だけ見ると確実にふざけているように見えるこの稽古ですが、やってみるといかに普段台詞に頼りきってて色んなものを蔑ろにしてるかということがよくわかります。

だって上記のやりとりだと全然意味がわからないから、いつ台詞が終わるのかだとか、今何を喋ってるのかだとかをすごく神経使って読み取らないといけません。

でも普段の会話って、というか人とのやりとりって、そうではないですか。
いつ誰がどんなタイミングで言い出したり動いたりだとか、わからずにいる。

稽古は、馴れて言葉や段取りを覚えるためにするもんではなく、本番でこの神経使った刺すか刺されるかのようなヒリヒリした駆け引きが出来るように方法を模索していくことだとおもうのですね。


あと、以下久野さんや出演者から出た意見がいくつかあったので、箇条書きにします。

・生き物は情報を集めて生きていく必死に情報を集めようとする姿勢は、見れる。
・何でって人に思わせたもの勝ち。底しれなさは武器
・自分の中で答えは決まってない方が良い。
・色んな方向のベクトルが一人から出てると人は気になる。
・舞台上で相手とのやり取りに必死になると客席に威圧感がなくなる。
・話をどうにか推進させようとする。その上での最低限の言葉。

「台詞って罪深いよねー」と久野さんはぼやいてはりました。
罪深さはもうどうしようもないのですが、ちょっとでも罪を軽くしてやるのが俳優の仕事かしらん等と思いました。

点転のススメ_パノラマビールの夜番外編_


お久しぶりです。
今回は出演者、藤谷以優です。
今日は天文学研究会の自主稽古でした。

各々朧げな輪郭が出来つつある今
可能性をさらに広げるべく色々なことをしています。

今回は点の階を見ていただいた方にだけわかる、点転という競技をしました。詳しくはもうすぐDVDが出ますので是非ご覧くださいませ。

相手を変えて何戦かしたのですが、本当にみんな戦い方が違う。
わたしの感覚ですが、中村さんは電気、チェさんは火、練馬さんは風、吉村さんは土。
わたしは何なんだろうな。水な気がします。

そして後半は天文学研究会の空気を一体にする稽古と、練馬さん強化特訓でした。

練馬さん面白い。個人的にはさかなクンと追い詰められた夜神月が好きでした。

どんなものか気になるでしょう。
匣の階はいつでも稽古場見学お待ちしております。
よければ一緒に点転もしましょう。
よろしくお願いします。疲れたので、今日はこれで。

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1月公演 匣の階 稽古日記 10/23(チェサン)

唐突ですが、人生は引き際が肝心だ、というようなことを聞いたことはありませんか。あると思います。今にも、うむ全くその通りだ、と頷いてしまいそうですが…「引き際」ってどこにあるのでしょうか。

最新の稽古のことをお伝えする役、今回はチェサンが仰せつかりました。皆さまどうも。

稽古場で、10年という時間を考えていました。それは長いのでしょうか。短いのでしょうか。ある人は言いました、「自分は10年を2度しか知らない」と。またある人は言いました、「5年は短い。10年はたった2度それがあるだけだ」と。
匣の階『パノラマビールの夜』に出演する6人の俳優の内4人は20代の平成っ子です。10年という節目を実感する回数は多くないかもしれません。10周年記念というとなんとも壮大ではないですか。苦楽と愛とお金を感じる言葉です。長い時間を感じる言葉です。
でも一方で、仮に、物心がついて記憶もはっきりしている歳を4歳としましょうか、そうすると14歳から今日までの日々は全て10年の節目の日々と言えます。もちろん屁理屈ですが。しかしこうなると10年とはなんとも日常のありふれたことのように聞こえませんか。

僕の役、Qは10年前に発足した天文学研究会の2代目会長という立場にいます。とある星の最期を看取るために舞台に現れます。誰からも語られぬこの10年の研究会のことや(先のリーディング公演『Port』ではこの10年の一部が語られていましたね)星の最期を経てこの研究会はどこに向かうのかなどを稽古場で思案していたのです。研究会はこれで解散ではなかろうかという意見があり、少なくともこれを最後に辞める者が現れるという意見があり、Qは独りだけになろうとも辞めることも止めることもしないだろうと僕は考えていました。

冒頭の話に戻します。何事にも肝心要らしい「引き際」は一体全体どこにあるのでしょうか。時間か出来事か。まぁきっとどこにでもあるのでしょう。そんなことを考えながら稽古場にいると、この物語の中にもそれはあるように思えてきました。6人の登場人物は『パノラマビールの夜』が明けた時、六者六様に何かの区切りをつけているように思えてきました。

『パノラマビールの夜』では町の話が語られます。人形の話が語られます。星の話が語られます。匣の話が語られます。ある寒い日に、見晴らしの良い場所で、ビールを飲みながら語られます。そして、朝を迎えるお話です。



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第5回OMS戯曲賞佳作受賞作 20年ぶりの再演

『パノラマビールの夜』

脚本・演出:久野那美
主催:階
共催:神戸アートビレッジセンター
協力:大阪ガス
企画・制作:匣の階

日時
1/25~27 17:00 / 20:00
1/28 14:00 / 17:00
※上演時間は約60分

料金
一般:2800円
学生:2000円
立ち見:1200円

会場
神戸アートビレッジセンター 1階 コミュニティースペース1room
※神戸高速 新開地駅 東8番出口より徒歩5分
※JR 神戸駅 北出口より徒歩10分
※神戸市営地下鉄 湊川公園駅 より徒歩15分

予約
web http://floor.d.dooo.jp/hako/
tel 050-5240-3066
mail hakonokai2018@gmail.com
※↑にて12/25までの早期ご予約特典は出演者またはスタッフの手書きメッセージ付きチケット!


匣の階
2017年3月に兵庫、大阪、京都、東京の俳優・スタッフにより立ち上げられた演劇上演集団です。箱の階から始まる階ユニットの2017-2018年ver.です。2017年9月・2018年1月、神戸アートビレッジセンターにて<匣と町と記憶を巡る2つの物語>を上演します。匣の階は2018年1月の公演終了と同時に解散します。

10月稽古日記 「延長線上のもの」 (練間沙)

こんにちは。練間沙です。10月の稽古日記を書きます。

4日間の稽古でなんかしこたま酒を飲んだ気がします。
2日目にPortの打上げがあり、3日目には実際に山を登り、ワイン1本を空け、下山後に熱燗をバンバン飲み、4日目はまた別のところで飲み…
熱燗の美味しい季節になりつつありますね。しかし、展望台ではビールです。
ワインも悪くはないが、ジョッキにたっぷり注がれたビールが格別です。
今度試してみて下さい。なんなら一緒に飲みましょう。

飲んでいる傍ら、ではありませんが、この4日間は、
人はどうやって見たり聞いたりしているのかをずっと考えていました。
演技するということはなかなか複雑で、普段日常生活している方がしばしば自然に、あるいは熱っぽく、はたまた静かに鋭く見たり聞いたり話したりしていることが多いように感じます。
それは恐らく見るために見る、聞くために聞く、話すために話すということではなく、興味の源泉から湧く好奇心によって、見て聞いて話しているからなのだろうと思います。

演技をする時。動作をすることが目的になってしまうことの恐ろしさを実感しました。
その動作という手段そのものが目的になってしまう愚かさを犯さず、演技できるかをじっと考えると、セリフは無くともその間は空白でなく、とても詰まった間になるのだというのを思いました。もっともっと詰めていかないといけないけれども。

言葉と俳優の関係 (俳優:七井)

10月28日~31日まで4日間連続稽古でした。(匣の階の稽古パターンは基本4日連続)

前回9月の稽古は、「Port」の本番と重なっていたため、「パノラマビール」単体?でのみっちりとした稽古はほぼ2か月ぶりという状態でした(私の実感として)。

そのせいでしょうか、稽古初日は前回やったシーンも、どうしても台詞を言う感覚を思い出しながらの稽古になりました。稽古がない期間に台詞を全て覚えてしまっていた(と思っていた)のですが、「台詞を喋る」と言う事は「台詞を覚えている」とは、全く違うのだなと痛感しました。
頭には言葉は入っているが、今目の前にいる相手とのやり取りが始まると、どうしても言葉が出てこない。体が反応しないとでも言いましょうか。
やはり台詞というのは、相手との関係・その場の空気を踏まえて、からだが喋るものなのかもしれません。
では、次の稽古までの期間をどう過ごすのか? これは、本当にちゃんと考えないといけない問題の様な気がします。からだが覚えている感覚を忘れないようにするためには、どうしたらよいのだろう。

28日の初日は、台詞を喋ることを通して頭とからだのずれを直してゆくような日でした。

2日目もその延長で、集団の空気の作り方について色々と試行錯誤をします。
対話を行うには、双方に軸がないと成立しないのでは?という考察になります。
前提として「皆の中でなんとなくこういう空気感」では、会話は恐らく成立しないのでしょう。それよりも、「私はこう!」という軸をもっているほうが、台詞の会話は成立します。皆、前提を元に話をするのではなくて、やむにやまれぬ何かで自分の言葉が出てくる方が面白いのかもしれません。

3日めの30日は、稽古もさることながら、稽古後に「山に登りました」!。今回の作品は、山のある場所での話です。星が出てきます。皆、星を観ます。
そういう戯曲なので、出演者で山に登って星を観よう と言う事になり、山に行きました。

山、めっちゃヨカッタ!! 山の空気、見上げる空の星(の角度)、見下ろす町の夜景... 言葉にするとファンシーというか曖昧なイメージが伝わるかもしれませんが、「具体的に観る」と言う事は、それとは大幅に違いました。
自分ではない「何か」が確かにそこにあるのは凄いことなのです。


稽古最終日、それまで話していた「軸」を明確にする作業になりました。簡単に言うと、「ちゃんとそこにいる」事をあらゆる手段で試してみる。役を極端な設定にしてみて、会話での反応を頼りに関係性を探っていきます。
身体と頭が全力で他者に反応している様子というのが、会話する ことの面白さなのかもしれないと思いました。

「台詞」を喋っている俳優の身体は、台詞の文字面、文学的意味 とは違うところで動いているのかもしれません。俳優が喋るのは台詞なのですが。

今回の「パノラマビールの夜」は、話されている言葉と、そこで起こっている関係・現象 が一見すると違うように見えるかもしれません。しかし、でもそんなことはないのでは?

匣の階第一弾『port』舞台写真を公開しました。

台風の中、ご来場誠にありがとうございました。


公演写真
http://xxnokai.blog.fc2.com/imgs/20171102tRNDGxpV
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撮影はすべて 紅たえこ→サイトはこちら



お客様のご感想
https://twitter.com/i/moments/910419515585867777

1月公演 匣の階 稽古日記 10/28~31(チェサン)

山の中腹の展望台に行ってきました。夜に。星を見に。町を見に。ビールを飲みに。格別でした。寒い中、遠くを眺めながら、ジョッキにたっぷり注いだビールをきゅうっと飲む。魔法のような一杯でした。魔法をかけるのはやはり過程と状況と誰とが肝なのでしょう。

チェサンです。亀のようにコタツに篭もる日々をおくっています。そして、考えることを考えています。

山の展望台で星を見ていました。ビールを飲みながら。寒いのでどんどん着込んでいきます。稽古は進みます。共演者の声を聞きながら、星を眺めながら、考えていました。

話を聞きながら考えごとをするときには二種類あるなと。
一つはその話を聞きながら、その話のことを考えるとき。
二つはその話を聞き流しながら、別のことを考えるとき。

真に話を聞くためには、聞くだけでも考えるだけでもダメで、聞きながらそのことを考えさらにはその考えを補強をその話から拾い続けることが大事なのではないかと。それが豊かに考えるということなのではないかと。

この環が形骸化したとき、それは独りきりの貧しい考えになってしまうのか否かはまだ考える余地があるとして。少なくとも舞台の上で何かを考えるときには豊かに考えごとをしていきたいものです。

という思索もずっとコタツに篭もってしていました。そろそろ稽古場に向かう時間が近づいていますので、今日はこの辺で。

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匣の階
2017年3月に兵庫、大阪、京都、東京の俳優・スタッフにより立ち上げられた演劇上演集団です。箱の階から始まる階ユニットの2017-2018年ver.です。2017年9月・2018年1月、神戸アートビレッジセンターにて<匣と町と記憶を巡る2つの物語>を上演します。匣の階は2018年1月の公演終了と同時に解散します。

サイコパスvs極道の女vs天文学研究会

お疲れ様です。
物騒なタイトルをつけがちな中村です。

先日は稽古稽古、山登り、稽古でした。
自分が芝居をしてるのか、芝居をしてないのか、というか今自分が何なのかもうよくわからなくなるほど、兎に角稽古をしてました。

タイトルですが、これは久野さんの「本番ではしないけど、やってみよう」のコーナーで行われた稽古です。

旅人→七井さん→サイコパス
女→大西さん→極道の女
天文学研究会→チェサンさん、藤谷、練間さん、中村

上記の通りそれ然として、後半のシーンをやってみました。

一言で言うと、まじ気の狂ったパーティーになりました。

それによりわかったのは、「何か強い軸(サイコパスの存在とか)があると、回りの人間は関係性が作りやすく自分の立ち位置が明確にわかる」ということでした。

関係性がわかると、自分の、台詞の出所や立ち方が輪郭を持ってわかりやすくなります。

ただこれをサイコパスや極道の女無しに作らなければなりません。

自分の中だけでなく、その回りとの兼ね合わせで、どこまで可能性を広げていけるのか。

あと三ヶ月。もう三ヶ月。まだ三ヶ月。

山の上の景色

稽古日記
初日からiPhoneが使えなくなり大阪での4日間稽古をアナログに過ごすことになった私。(教訓、IDとパスワードを控えて手元にね)しかし稽古場に到着できてからは大きな問題なし、昭和な人間って実感する。
今回の稽古中、実際に皆で山に登った。夜の登山なんて危ないのに事前に何も考えなかった自分に反省。しかしそれをおしても登ってよかった。寒さ広さ美しさ寂しさ怖さ山の上は地上とは全然違う。何故ここに登場人物達はいるのか。
そもそも何故山の上なのか。
それらを芝居にすぐ生かせるのかというとまだ分からないです。でも多分皆のお腹の奥に同じ景色がしまわれた。
そして他の演出家なら絶対やらないよね、というこの体験込みで久野さんの作品世界を表現できればなぁと強く思います。問題はどうすればそれができるのか。
サイコパスと極道の女とタンパク質(だったかな?)が一緒にいられること。(この意味不明な組み合わせについては他の人が書くかな)
先日テレビで観たドキュメンタリーで「悲しみのなかでこそ、人は繋がることができる」というような言葉があり、印象に残った。この芝居で悲しみとも違うかもしれないけれど人が繋がること・・に鉱脈があるような気がしてきました。
とにもかくにも、ジタバタします、まだしばらくは。

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1月公演 匣の階 稽古日記 11/4(チェサン)

12/25までにチケットを購入すると、貴方が選んだ座組の誰かから直筆メッセージがついてくるってご存知ですか?
先の神戸アートビレッジセンターでの公演『Port』でもやってましたね。せっかくなので僕からはビールに合うおつまみのレシピでもしたためようかと思ってます。何がいいかな。

どうも、チェサンです。稽古は進んでいきます。この日は二人の俳優が助っ人に来てくださいました。点の階に出演していた佐々木さんと、この前も助っ人に来てくださった三村さん。佐々木さんは実は大学の先輩です。専攻も劇団も違ったけど。

ああそうだ、稽古は進んでいきます。いろんなことをしています。バッファローを召喚したり、オバちゃんパワーで押し通したり、引力に導かれたり、神に倣ってみたり、もうあっちにこっちにぐーるぐる。頭の中もぐーるぐる。でも進んでいます。正比例のグラフのように真っ直ぐ良くなっていってるってわけではないでしょうが、進んでいます。ほら、筋トレの成果をグラフにすると階段みたいな形になるって言いますし。ゼミで教授が、人の成長を図にしたら螺旋階段みたいになるって言ってましたし。

話が纏まりません。ぐーるぐる。具体的なことも言えません。ぐーるぐる。言いたいだけになってきました。ぐーるぐる。まぁでもそれでもいいのでしょう。旅は道連れ急がば回れ、三歩進んで二歩下がる。ぐーるぐるぐる進んでいきます。

10月稽古日記 「空気感の再現」藤谷以優


お久しぶりです、藤谷以優です。
10月の稽古日記まとめ、というか備忘録です。

今回も怒涛の四日間でした。
Portの打ち上げをしたり山に登り展望台で星と街を見たり野外稽古もしました。

自分としてはやっていてものすごく楽しい時と、びっくりするくらいつまらない時との差を考える四日間でした。
まだ模索中ですが人との関わり合い方で面白さが変わっていた気がします。相手との音がクリーンに響く時はとても楽しい。けど自分の言葉が宙に浮いたり相手の言葉が聞けなかった時はなにかフィルターを通しているみたいで居心地が悪い。のかなぁと。

せっかく演劇をしていて、言葉があって相手がいるのだから。その人とだけ出来ることがやりたいなぁと思いました。

相変わらず文章が苦手ですみません。
ではまた。1ヶ月後くらいに。

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パノラマビール番外稽古「ナナメチョップチョップ」


毛布の洗濯のタイミングを見計らう女
こと藤谷以優です。
今回は和室でひたすらエチュードをする稽古。
見学の方も来てくださっていたので、戦うのは2人、見守るのは4人、計6人での合戦でした。

何回か戦う人を変えながらしたのですが、どうもうまくいかない。なにかが途切れてしまいストーリーが生まれないのです。
何故そうなるのか考えているとき、チェさんが一言。

「鍔迫り合い(つばぜりあい)になると面白くないのでは」

鍔迫り合いとは、互いに相手のうった刀を鍔で受け止め押し合うこと。

武道の世界では転じて激しい戦いということにも使うらしいのですが、エチュードでいう鍔迫り合いとは力が拮抗して発展のない様のことをいうのかなと。そう考えると確かにしっくり来ます。鍔迫り合いは戦っている人たちは重みがあるから楽しみがわかるけれど、見ている人には伝わりにくいので下手をすると飽きられてしまう。エチュードにおいて観客に次になにが起きるか悟られすぎて飽きられるのはとても怖いことです。少なくともわたしにとっては。ワクワクしてもらいたい。

また殺陣でも相手のチョップを直角で受けると腕が痛いだけで次の手を出しにくいので、ナナメに受けて流すそうです。そうすると流したあと相手を押して逃げてもいいし、お腹にチョップを返せもするし、選択肢の幅が広がります。
そういったことがお互いの間で続いて行くと高まっていきストーリーのあるエチュードになるのでは。

という匣の階的発見をした11/14でした。

次の稽古は11/23、木曜日17:00〜22:00
見学希望の方はお気軽にお問い合わせくださいませ!
ツイッターのDMでも受け付けております。

ツイッター @xxnokai


写真:三村るな

11/23稽古日記(練間沙)

おはようございます。練間沙です。
23日の稽古日記であります。

この日は1時間くらい個別に、七井さんと久野さんに付き合ってもらい別の本番だった僕のために前回稽古のおさらいで相手の演技を受けて展開させる、あるいは相手の反応により演技を発展させるというような、エチュードをやりました。反応に次ぐ反応、展開に次ぐ展開という感じでなかなかスリリングでした。
久野さんからは演技にアトラクション感があるねという評価をいただきました。
原因については考えていきたいと思います。

天文学研究会が揃ってからの稽古は引き続きそのエチュードをしてみたり、セリフを言ってみたり。11月の集中稽古に向けて各々の課題がはっきり見えた稽古だったように思います。
俳優にとって好奇心はとても重要なファクターで、飽きやすいというと良い意味に聞こえませんが、次々と状況を展開させていけるというのは、見世物としてとても大切なことだと実感をした稽古でありました。

台詞をジャブジャブと言うことの必要性(七井悠)

11月24日~27日に集中稽古がありました。

今回の台本は、物語の構成が複雑です。
一見すると単純な台詞の並びに見えるのですが(→こちら公開中の台本http://floor.d.dooo.jp/hon/beer.pdf
口にして台詞を発すると、文字を見ただけでは分からない、場所や登場人物の関係性が在ることがわかりました。

稽古は俳優が台詞を喋りながら、どうやってその関係性を作るか というところに移ってきています。
印象的な台詞が多く、詩の羅列にも見えかねないのですが、言葉を喋っている「登場人物」達の
内面には、想像を絶するような「何か」が動いています。多分。絶対。
久野さんの台本は、「人が言葉を喋ること」について、根源的に触れようとしています。
だからこそ、俳優の喋っている台詞が美しく聞こえるのでしょう。

題名の「台詞をジャブジャブ言う」とは、言葉(会話)のはやさのことです。言葉ははやい方が良い。
印象的な台詞ほど、ジャブジャブ喋ることで自分の中身を変えていかねばならない と今回の稽古で感じました。
人は耳で聞いて頭で考えるのではなく、全身で聞いて全身で考えているのです。そのはやさを捉えなくてはいけません。
俳優の身体がなくなって、舞台上に言葉だけが存在している舞台になると思います。

そして今回は、会場のKAVC(神戸アートビレッジセンター)のホールではなく、ロビーにての公演です。
非常に開放的で、コンクリート打ちっぱなしの素敵な場所が、劇の舞台である「山の中」になるのか?
俳優以外のスタッフワークもご注目下さい。

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どこにいきたいのだろう(小林)

今回唯一の学生メンバー、小林です。
階員には居ないところでいじられてるみたいです
日々愛を感じております。

月末の集中稽古と大学の試験が重なりてんやわんやでしたが
試験の方はなんとかなったと思います、きっと、たぶん、おそらく

何にせよ好きなことをしている時間っていいなぁとそんなことを噛み締めております。

稽古はどきどきわくわくの連続でした
一人のセリフにまた一人が連動して、作られる場は次々と変化していく
文字だけで見たときとは違った印象になる場面もしばしば
さながらジャムセッションの緊張感、次はどんなことが起こるのだろう
舞台上で交わされる言葉はどこへ向かっていくのか
そんなことを考えながら見ていました。

連日の長時間に渡る稽古でしたが俳優のみなさんほんとにタフでした!!
そしてまぁよく食べる
お腹、空くんですね
お菓子がいつもたくさんある幸せな現場でした。

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超さっぱりな台詞(俳優:中村彩乃)

みなさん、今晩は。
なぜか和歌山のビジネスホテルで稽古場の日誌を欠いている中村です。
何がどうなると、こんな状況になるのでしょうか?

甚だ疑問ですが、先に進みたいと思います。

さて。11月のまとまり稽古でした。
11月のをなぜ今書いているかというと、さっぱり内容がまとまらなかったからです

もうさっぱりです。
どうしてこんな難しいこと(芝居)を私は喜んでしているのかという、とても根本的な疑問に行き着くほどさっぱりなのですが、それでも何かしら日誌を書かねばなりません。

台詞ということについて、考えます。

11月は、割りと私の長い台詞をどうするかということで、
・居酒屋稽古
・ミザンス決めて稽古
・とにかく飲みながら稽古(稽古はウーロン茶)
・ぱきっと台詞言う稽古
・しっとり台詞言う稽古
をしました。

どうも、パノラマビールは後半にいくにつれ、何というか、とてもバカっぽい言葉を使うとエモい感じの台詞が多くなります。
思わず空見てええ声で台詞言っちゃう系のあれです。

でも私そういう芝居嫌いなんですよね!

なんというか。
何か自分の人生かけた言葉に情緒的なエモめニュアンスがかかってしまう、というのはいた仕方ないとは思うのですが、でもね。

私は役と別人ですから!

どうして別な人間のエモさを演じようとしているのか。

いけません。
大きい文字を使いがちになってきました。大きい声で誤魔化そうとするのはいけません。

カオスなことになってきたので、こんなときは稽古場で出たことを箇条書きにしてみましょう。

・自分が台詞を言うときは自分が動いたときか、相手が動いたとき。

・長い台詞を言うというのは、別に、長い台詞を言おうとして言ってるのではなく、言いたいことを全部言ったら長くなっただけ。

・相手を変えるために言葉をはく。

・気を抜かない。聞くときに、気を抜くと空気はつくられない。

なんというか、私ならではなのかもしれませんが、自分がしっかり台詞をはけているのではと思う時は、相手や自分の台詞を聞きながら何かに気づいている時な気がします。

たとえば、
「あ、ここの台詞は後半のこれにひっかかってきてるのか」とか
「この台詞言うためには、ここの台詞が拠り所になるな」とか。

不思議なもので、稽古でやる度に箇所は代わります。
それは、何というか、自分よがりな状態にはなってないと思うのですね。


ということを踏まえ、冒頭のことを考えるとやはり台詞は、中村という俳優一人では言えないのではないかと思います。

その役と、
その役がそのような感情になる切っ掛けをもたらした出来事・人物と、
その役をしてる俳優と、
取り巻く役と、
その役をしてる俳優と。

それらが、何か具体的なアプローチをしてくる(台詞として話かけてくるとか)とは限りませんが、存在してるということは絶対何か作用しているはずです。
それが何か。

鋭敏に感じて、取り零さず、引き受ける。
受けるから、台詞を投じれる。


…のか?
ああ!!?わからない。

稽古しよう。
頑張ります。


中村

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1月公演 匣の階 稽古日記 12月(チェサン)

どうも読者の皆様、天文学研究会2代目会長Q役のチェサンです。おひさしぶりです。ところで、逆立ち、できますか?

僕はまだできません。でもちょっとずつできてきています。夏は足が上がり切らないことも多かったのに、壁から離れていられる時間がちょっとずつちょっとずつ増えてきました。そう遠くない未来にはすっくと立っていられるようになるでしょう。わくわくものです。

僕だけでなく、匣の階では皆が何かに挑戦し続けているように見えます。(逆立ちは極めて私的な挑戦ですよ。極めて私的な。)稽古場ですからそれは当然のことかもしれません。

僕の挑戦(課題と言うべきでしょうか。)の一つは声に関することなのですが、僕の声はどうも求められている音から半音ないし一音高く出てしまうのですよ。そこからタイかスラーで台詞を発する癖があるようです。(音楽用語を正しく使えているかとても不安です。 )ただこれがなかなかどうして。最初は何がどう駄目なのかすらわかりませんでした。高いですか?ってなものです。今まで目を逸らしていたツケですね。なんなら逸らしていたことすら無自覚でしたからわかりっこありません。ありませんでした。でもそれがちょっとずつちょっとずつ自覚できるようになって、的が見え始めて、ちょっとずつ得点がよくなってきました。目指せブルズ・アイ。他にも挑戦していることはありますしね。

しかし振り返ってみれば夏とは随分と作品中での存在の仕方が変わりました。挑戦し続けている結果です。なんせもう師走で、酉年も終わりですから。されど稽古は続く。挑戦は終わらない。すっくと逆立てるその日まで。


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「モノ」の立場に立つ(七井悠)

もう師走です。
公演本番まで1か月と少しになりました。

ここ何年か階の公演に参加していますが、今年は稽古の日々が過ぎてゆくのが割とゆっくりだった印象があります。
でも、恐らくここからは時間が経つのがものすごく早いのだろうなと感じています。

というのも、ここまでの稽古の蓄積で各々の俳優の変化が顕著になってきました。
今まで詰まっていた台詞が、スラスラと流れ出している感覚があります(勿論まだまだですが)。
登場人物全員が、ほぼ舞台上に出っぱなしの為、一人の俳優が変化すると他の俳優もそれに応じて
台詞や身体の扱い方が変わり、物語の流れも変わってゆきます。
逆に言えば、誰かが硬直してしまうと、そこからの展開がなくなってしまうと言う事でしょう。

俳優は久野さんから、自分の台詞や身体を、繊細に扱う事を求められています。
声高に叫ばれると消えてしまうような、微妙なニュアンスで物語を作ってゆかねばなりません(と、僕自身は思っています)。

意味が分かりやすかったり、耳障りが良かったりする言葉からは 抜け落ちてしまうものが沢山あります。
そうではなくて(人の立場ではなくて)、モノの立場に立って台詞を言わねばいけないなあと思っています。

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回避!恐怖の西野カナ!(俳優:中村彩乃)

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
私中村は先日自分の部屋で気絶するという超体験をしました。
詳細を知りたい人は個人的にお声かけください。ろくでもない話が聞け、「人間ってしょうもないな」と思うこと請け合いでしょうよ。

さて、今年最後の連続稽古が始まりました。
大西さんが一か月ぶりの合流ということもあり、まずはセリフ合わせをすることに。今までの稽古の積み重ねなのか、皆言葉がとても柔らかくなっておりました。
その後は、荒通しを。
パノラマビールの夜は台本のみを読むとどうしても、
「え…」「何?」「え、あ、え、いやうーん、星がさ」「え、星」的な雑多な言葉の並びではなく、整った日本語が並んでいたり全員が敬語であったりするので(どちらが良い悪いではないですよ)、どうしても俳優は情緒的に間をとってしまったり、以前の私の日誌の言葉を借りると「エモく」なってしまいがちです。
ただ、久野さんは「もっとテンポあげて」「もっと間を詰めて」という指示をよくされます。
最近は、少しずつその感覚がなじんできたようで、最初に比べるとずいぶんポンポン台詞が行き交うようになってきました。

まあね、間をたっぷりとるとろくなことが起こりません。自分の間で言ってしまうと、どうしても相手や起こっている事象をないがしろにしてしまいがちになるためです。あとね、酔った芝居になりがち。
自分に酔った芝居。それはさながら「西野カナ」状態です。会いたくて震えないで!自分の中で完結しないで!完結して酔わないで!きゃあ!危ない!前見て!
まあ、西野カナも良いのですが、パノラマビールで西野カナをしてしまっては何かよろしくありません。湘南乃風とか、銀杏ボーイズとか、なんかそういう「悲しいけど歌うぜいえいいえいえい!」みたいな心意気でしたいものです。

ところで、私が今何の話をしているかわかりますか?私は何を自分が言ってるかわかりませんよ。
話を戻しましょう!

荒通しの後は、終盤の長セリフの部分の稽古を。
久野さん曰く「ここはみんなで話をしっかり聞いている状態になって、それをお客さんが見てるかたちにしたい」。
そのため、一旦極端に話を聞く稽古をしてみました。

ある人は質問ばかりし、
ある人はちゃかし、
ある人は話こそ聞いているものの盆地揚げばかり食べ。

行動は人それぞれでしたが、しかし話を聞いているからこその状態にはなっていました。

本番はどうしても上記のようなことは実際に起こせず、俳優はさして大きなアクションをしたりしないのでしょうが、それでも心中では上記のような心の動きというものはあるはずです。
うなずくだけが、相槌を打つだけが「聞いている」状態ではなく。そんな安易なことには走らず。自分がいかに他人の言葉を聞けているか、それを引き受けていけるかを残り稽古で試していきたいと思います。

あと一か月か。まだできるな。
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※写真はイメージです

稽古日記「外側と内側に分けることぐらいがちょうどいい」(練間沙)

練間沙です。
1月の集中稽古が終わりました。
色々な夜があり、様々な朝があります。
残すは個別稽古と本番直前の稽古です。

今回の稽古期間は前半かなり行き詰まりを感じ、どうしたものかと思案してました。
それがピークを迎えるとIQが著しく低下してネジが吹っ飛びました。大反省の夜でした。普通の会話を愛したい。

人はかっこよくあろうとする姿勢そのものがかっこいいのではなかろうかと最近思います。急になんだという感じですが、かっこつけるではなく、自らの意思の示し方にこそ芯があるのかもしれないとか何とか色々考えてたのかもしれません。

自分はこういう人間だと思って日々生きている人は少ないんではないかと、あなたがこうするから私はこうする。という人の方が多数な気がしていて、それは間違ったことではないと思うのです。
自分はこういう人間だというのにあまりに固執する人とは少なくとも僕は仲良くできない気がする。これは今考えたことですが。

自分の本当に思った・考えたことなのか、至った結論から後追いで過程を空想しているのかよく分からなくなる事が多々あります。
その都度メモ取るのがいいのかもしれませんが、なかなかうまくできないので訓練だなあと思う次第です。

何はともあれ後半の稽古は自分では良くなったのではなかろうかと、稽古場でも誰?と言われるほどには変わったようです。

自分の中に答えがある事は少ないです。どれだけ周りから自分を取り出せるか、自分が周りに何かを起こせるか、今までも同じようなことを散々稽古でやっていたような気がしますが、もう一度そこに立ち返って残りわずかとなった時間で考えていこうと思います。
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稽古日記 1月前半稽古日記「無意識のアクセント」藤谷以優


あけましておめでとうございます。
集中していると物事はあっという間で、1月前半稽古が終わってしまいました。

個人的には今まで無意識に出来てしまっていたことを意識的に出来るようになるためにもごもごしていた前半です。長く喋ろうとしたんじゃなくて、喋っていたらなんだか長くなってしまっただけのはずなのに、わたしはすぐに長文として扱ってしまう。
こうやって今打っている文章も、勝手に長くなっているだけなのに。目的と手段を入れ替えてはいけない。今一度見つめなおしたい事実です。

しかし10日の特別稽古のときに少し背中が見えました。このまま実直に走り続けます。戌年だし。年女だし。なんのこっちゃ。

わからなくなってきたので、今回もこの辺りで。

走るぞ。

写真はビールをきゅうっと飲んだ大西さん。


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劇場稽古を経て:1月6日稽古日記(七井悠)

1月5日に本番の会場であるKAVCのロビーで稽古をしました。

所謂ブラックボックス(四方が真っ黒の「劇場!」な感じ)ではなく、ロビーなので、一般のお客様もロビーを使われています。
その中で、そのお客様たちと違う「時間と場所」を作り出すのは、やはり中々難しいな と感じました。

稽古場での広さに慣れすぎていてしまうと、広くなったロビーで、演技で空間を埋める感覚をつかむのに時間がかかります。
また、声の反響も独特のようで、稽古後には ベースの声量をもっと上げて と久野さんから指摘がありました。

今回の作品、「演じちゃいますよ!」という感じ(力技)で演技してしまうと、微妙な(としか今のところ言いようのない)演技の
ニュアンスが消えてしまします。かといって、ロビーのような場所では、こちらの演技にある程度の「力」がないと
色んなものが拡散して薄まってしまうのでしょう。

それを踏まえての6日の稽古でした。
一度、ロビーで通し稽古をしたせいか、各々の俳優が「ロビーと稽古場のずれ」を意識してやっていたように思います。
特に、天文学研究会の4人が入って来るシーンは、それまでの稽古とは変わって、言葉がとても聞きやすくなっていました。
天文学研究会に翻弄されるのが、旅人役 には必要だと思っているので、そこで交わされている言葉に只々耳を澄まし
反応することが必要なのだなと、改めて感じた次第。

ゆっくりゆっくり、作品の全体像が見えて来ている1月の稽古です。

本番の時も、ロビーでのその時しかない空気を作品に取り込めるようにしたいです。

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稽古日記「お正月の効果 」 大西智子

今回の集中稽古は12/25〜29、正月休みを挟んで1/3〜7。年末の稽古で初めて稽古場に照明の葛西さんや舞台監督の中西さんが参加されました。
初めて観てもらうことに緊張もあってか少し固くテンポも良くなく反省。
しかし中西さんからの登場人物達の個性が見えにくいとの指摘をもらってよかった。ずっと同じメンバーでやっていると見落としてしまうことがある。
会話の相手との細かいやり取りに集中してしまったのかもしれない。
その後の稽古で改めて、相手との関係性を踏まえてのキャラクターをみんなで再確認してそれぞれに楽しく自分の役どころに色付けできていった。
天文学研究会はどんどん面白くなってきている。頑張らねば。
そしてお正月明け、なんだかみんな調子が良かった。リラックスしてテンポよく通しができた。
やはりゆっくり休んで美味しいもの食べて寝るって、大事だ!
残りの稽古も体調やメンタルを整えて本番に向けてこつこつやっていかねば。
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1月13日 匣の階ワークショップ(俳優:中村彩乃)

皆様、こんにちは。
今回俳優で参加をさえて頂きます、中村彩乃と申します。
以下、先日のワークショップで行われたことを、(若干の私の主観交じりにですが)書き留めたいと思います。

普段はもっと冒頭でどうでもいいことを書きがちなのですが、今回は割愛していこうと思います。(どうでもいいことが知りたい人は、稽古場日誌に進むといいですよ。本当にどうでもいいですよ。)

さて、ワークショップの最初は体ほぐしということで準備体操から始まり、その後台本を使った内容に。まずは参加頂いた皆様全員で、「パノラマビールの夜」の冒頭の女と旅人が出会うシーンからしました。
久野さんの台本は、ですます調であったり、あまり崩した日本語はなかったり、場面が「展望台」と少しノスタルジックであったりと、初めて読むと比較的ふんわりとした雰囲気のお芝居を彷彿とさせられます。
参加者さん同士で読んでいただいた際も、皆さんとても丁寧に演じてくださいました。
(皆さん、声がとても聴き易かったのが私は印象的でした。)

何巡かした後、久野さんからの提案で「台本に書いている意味にあまり縛られず、相手のアクションをきちんと柔軟に見て欲しい」という要望がありました。
また、
・声の大きさ
・間
・リズム
・動き
等、「どうすれば相手に良く伝わるか」、または「どのようにしてしまうとどんな印象になるのか」ということをよく考えて、ということも同時に伝えられました。

そのための誘発剤としてまずは七井さんが投下、いえ、参加。台本をただ読むのではなく、相手を見ないと出来ないであろう仕掛けを繰り出されていきます。
今回参加されていた方が本当に柔軟な方ばかりで、最初こそ「おい、なんだと」となりましたが、徐々にそれぞれで仕掛け合いをするような流れになっていきました。

ある組はビールを地面に盛大にこぼし(演技で)、ある組はラブロマンスっぽくなり、ある組は互いに牽制しあったり…。
十人十色、組み合わせごとに微妙に異なった台本のニュアンスが出来ていきました。

何度か繰り返したあと、久野さんより「お客さんは飽きてしまったり、予測できてしまったりするものはあまり見てくれない。台本だけは、上演中に変化はせずにずっと在る確かなものだけど、言ってしまえばそれ以外はその場その場で絶えず起こって変化している。そういうものを舞台上で起こしたい。」と。

さて、ここからは私の偏見ですが。
上記の考えは「久野さんメソッド」という訳ではなく、どんな演劇(あるいはその他の分野でも?)に結構通ずるのではないかと思います。
人と人が何かを作るうえで、一番勿体ないことは「目の前の相手を無視してしまうこと」だと思います。すべて起こることに反応すれば良いという訳ではありません。しかし自分が何か感じたことや見えたものは、まずは受け入れて在ろうとした方が良いと私なんぞは思ってしまいます。
受け入れてみると、微々たるものかもしれませんが、自分の中で何か変化は起こるはずです。そういう「相手の存在によっておこる自分の変化を表出して、さらに相手が変わる、さらに」と続くことが、私は他人と何かを創作する大きな面白みだと考えます。

以上、中村の個人的主観でした。
話をワークショップ戻しましょう。

何度か台本を使ったあと、最後は「言葉はどのくらい必要か」ということを考えるために、ある一センテンス以外は言葉を発さずに、やりとりをするということをしました。
動きや目線、表情で相手を判断する、そういう場に流れている緊張感は飽きる瞬間がなく、なんというか、普段いかに言葉(台本)に頼っていてそれ以外のことに神経を使っていないかということを身に知らされました。

また、2時間のワークショップだったにも関わらず、参加者の皆さんが最初の台本への印象をきちんと捨てて、目の前で起こることをきちんと受けたり、新しい解釈を組み込んだりと凄い変化をされていたのが衝撃でした。柔軟すぎる、羨ましいです。

 
時間はここで終了となりましたが、まだ時間があれば私達ももっと混ざって作品について色んな方向から考えられる時間となったのでは…と思います。

学ぶことの多いワークショップとなりました。私が。
公演まであと10日。
負けず挑まなければ。

匣の階WSはあと2回あります(1/26.1/27@アートビレジセンター)
詳細とお申込みはこちらから→

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写真:中村彩乃